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薬物中毒者(Intravenous Drug User = IVDU もしくは IDU)~その2

      2014/08/21

コカイン

ペルーやボリビアで栽培されるコカ(Erythroxylon coca)の葉から抽出した塩酸コカインの粉末を、呼吸で吸うように鼻から吸い込むと興奮状態に陥ります。とめどなく話し続けたり、はしゃぎ 回ったりします。 多幸感が強く、自信にあふれ、すべてを制圧したという感覚に満ち、性欲が高まり、周囲の環境が増幅され強烈に感じられます。2~3時間後、激しい抑鬱状態になります。中枢刺激作用が強く(薬理効果としては覚醒剤に非常に近い。覚醒剤より効果が短い)、多用(binge)するとコカインに対する心理的依存性が現れ、中毒となります。


19世紀後半、アメリカでコカインをワインに混ぜて飲むことが流行しました(Sci Am 1991; 265: 20-27)。1914年、自由な売買が禁止されコカインの消費は減少しました。
1973年、SCDA(the Strategy Council on Drug Abuse)はコカイン乱用による重大な障害はなく、コカイン乱用による死亡者は確認 されていない、乱用で生じた問題で治療を要した人はほとんどいないと述べています(Science 1986; 234: 970-974)。1980年、コカインは安全で中毒性の少ない多幸剤であるという考えが依然としてありました。

コカイン中毒に関する過去の記述は、マリワナの場合と同じく誇張されたものであると言われました(Science 1991; 251: 1580-1586)。安全で手軽な興奮剤という認識が広がり、1970年代後半から塩酸コカインの使用が激増しま す。1985年にはコカイン経験者が2200万人に達しました(Science 1986; 234: 970-974)。同年、過去30日間にコカインを使用したことのある高校生が6.7%に上りました。 コカインを、 安価で純度の高いメキシコ産のヘロイン(black tar)と同時に静注する方法(speedballing)が 流行し、IDUの間でもコカインの消費が伸びたのです。

1985年頃から、塩酸塩を持たない(freebase)、 クラック(crack)と呼ばれる安価なコカインの結晶が市場に大量に出回る ようになりました(JAMA 1986; 256: 711)。これを加熱して出る煙状のコカインを水キセルを通じて吸い込むと、静注した時のような強い効果が得られる ため、爆発的人気を博したのです。1回に使用するコカインが少量ですみ、貧しい人や若者に手の届く価格となりました。 クラックの出現で薬物の静注が減り、 ウイルス感染の減ることが期待されたのです。 しかし、クラックの薬効が強いうえに安価であったため、クラック中毒が増加しました。

現在では治療を要するコ カイン中毒者が100万ー300万人に上ると推定されています(Science 1991; 251: 1580-1586)。売人との性交によってクラックを入手する中毒者(特に10歳代の黒人女性)が増加し、彼らの 間で梅毒や淋病などのSTD(sexually transmitted diseases=性感染症)が多発し、HIVが 広がっています(JAMA 1990; 263: 851-855, AIDS 1991; 5: 1121-1126)。クラック窟(crack den)などで無防備な性交をして感染する中毒者も多数にのぼります(Lancet 1988; i: 1052-1053, Lancet 1988; ii: 965)。

インナー・シティ 1992年6月、5万1477人に達したIDUの エイズ患者の79%が、黒人とヒスパニック(スペイン語を話す中南米系移民)です。黒人やヒスパニックの住む大都市中心部(inner city=インナー・シティ)でHIVに感染したIDUやクラック中毒者が多く、異性間性交を介してインナー・シティの女性にHIVが広がっています(JAMA 1989; 261: 561-565)。若い女性キャリアの増加とともに、母子感染(感染率約30%)による小児感染者も増加しています。

小児(13歳未満)のエイズ患者3898人のうち、3315人(85%)が母子感染によるものです。その84%(2775人)が黒人とヒスパニックの 子供です(AIDS 1992; 6: 1229-1233)。 クラックとヘロイン、HIVがイン ナー・シティの黒人やヒスパニックの社会に深刻な脅威を与えているのに対し、ゲイを多数抱えるホワイト社会ではHIV感染の勢いが衰えをみせ、社会的階層によるHIV感染の不均衡が目立ってきました

エイズの重心が、社会的、政治的影響力をもつホモ(バイ)セクシュアル・コミュニティから、インナー・シティのIDUやドラック中毒者、そのセックス・パートナーや子供など、影響力をもたない弱者へと移動するにつれ、エイズ患者やキャリアに対する保健衛生行政のリベラルな態度が変化していることが指摘されています(AIDS 1992; 6: 527-532)。 薬物問題や教育問題同様、エイズは解決不可能なインナー・シティのマイノリティの問題になったという 認識が広がり、エイズ問題に対するアメリカ社会の熱意が減弱しつつあるともいわれます。

43 1992年6月アメリカでの異性間性交による累積患者数が1万4045人となりました。その53%はIDUとの性交による感染です(AIDS; 1992; 6: 1229-1233)。IDUからセックス・パートナーに感染するのを防ぐことが防疫上重要となりました。セーファー・ セックスを実行することが望まれます。しかし、コンドームを使ったことのないIDUが 3分の2以上に上り、複数のパートナーを持つ人や、肛門性交をする人、売春をする人などが多く、セーフ・セックスは実際には容易ではありません(AIDS 1991; 5: 77-83)。

IDUはセーフ・セックス より注射器の滅菌や共用防止のほうを受け入れやすいといわれています(AIDS 1991; 5: 77-83)。 1992年6月までに報告された患者で、女性(8524人)が男性(5521人)を上回るのは、異性間性交を介す る感染だけです(AIDS 1992; 6: 1229-1233)。

これは、男性→女性感染の頻度が女性→男性感染より高く(JAMA 1991; 266: 1664-1667)、女性の感染者が今後さらに増加することを示唆しています。母子感染を通じて小児の患者も増加 するため、女性の感染を防止することが重要な課題となりました(JAMA 1987; 257: 2039-2042)。セックス・パートナーを選択し、その数を減らし、危険な性交(肛門性交など)を避け、コンドームを使用すること(Am J Pub Heaith 1990; 80: 460-462)が異性間性交感染防止の原則であるのはゲイの場合と同じです。

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